私は一貫して猫には手作りごはんをすすめています。
こんにちは、羽山香苗です🎀
猫の病気をきっかけに手作りごはんにする方は多いのですが、
慢性腎不全、特に重度の慢性腎不全になる前に手作りごはんに変えておくのが絶対にいい!

今日はその理由をご紹介します。
*2018年10月の記事を加筆・修正しました。
慢性腎不全とは
この記事の中で私が言う腎不全とは、慢性腎不全のことです。
急性はまたちょっと違うので除きます。
ちなみに、
慢性腎不全は高齢猫の死因トップ。
15歳以上の猫は程度の差こそあれ、慢性腎不全であると言っても過言ではないでしょう。
すっごく簡単に言うと、腎臓は体内の老廃物や余分な水分を尿として外へ出し、
血液をきれいに保ってくれる臓器です。
- 血液をろ過し、老廃物を含む尿を生成する
- 体液やイオンバランスの調節
- 血圧をコントロールする
- 造血に関わるホルモンを生成
腎臓は加齢やその他の要因により、少しずつ機能が落ちていきます。
しかし、
その機能の60~75%が失われるまで目に見える症状は現れません。
ここが、腎不全のやっかいなところ!
明らかな症状が出ている時点で、すでに腎臓の60~75%の機能が破壊されているということです!
そして、
腎臓は肝臓のようには再生しない臓器です。
慢性腎不全の症状
代表的な症状はこちら。
- 多飲多尿
- 食欲にムラがでる
- 体重減少
- 嘔吐
末期になると、貧血や痙攣などもあります。
猫の慢性腎不全は予防が一番大切
目に見える症状が出るにしろ、血液検査で尿素窒素(BUN)とクレアチニンの上昇がみられた時にしろ、
どっちにしろ何か変化があった時というのは、
腎臓の機能の60~75%が失われているんですよ!
もちろん、気づいてから、残りの腎機能に負担をかけないように手作りごはんにするのも大切です。

しかし!しかし!
そうなる前から、腎臓に負担をかけない生活をすることを心がけたい。
じゃあ、
腎臓に負担をかけない生活って?
腎臓は脱水状態になるとダメージを受けやすい。
ドライフードオンリーの食生活で、食っちゃねしかせず、全然動かないような猫の腎臓は少しずつその機能を失っていきます。
動かないで血流が悪くなることも長期間続けば腎臓の負担になる。
「腎臓は血管の集まり」みたいな臓器なので
血流悪化は腎臓に負担をかける。
猫が高齢になってあまり動かなくなったら、おもちゃで遊ぶなど飼い主さんが積極的に動ける工夫をしてあげるといいです。
腎不全になってからだと食欲にムラが出る
健康な状態でさえ、キャットフードから手作りごはんに移行するのって大変です。
猫は食べなれていないものを、食べ物として簡単に認識してくれないから。

腎不全の猫を介護したことがある方は分かると思いますが、
腎不全になると本当に食欲にムラがでる。
ずっと手作りごはんを食べてきた子でも、缶詰を入れたりしないと食べなくなったりします。

それも、昨日はあれを食べたのに、今日は食べない、とかしょっちゅうです。
毎日毎日違う缶詰をあけていく。
これはどうかな、あれは食べるかな。
結構大変な試行錯誤です。
その中でさらに手作りごはんにしようって相当大変ですよ。
飼い主さんの気持ちと精神力がいります。
腎不全になったら、食べることがなにより大切
腎不全の進行程度にもよりますが、腎不全になったら、何より
猫が自ら「食べる」ということが、とっても大切。
人は管だけつながれても、生きていけるけど、猫は自ら「食べる」ということをしなくなったら、だいぶ深刻です。
食欲不振ではなく、食欲廃絶。
まったく食べない。
点滴をすれば、水分とある程度の栄養は入れられるので、食べないからってすぐどうこうってことはありません。
腎不全、その他の病気の猫を何匹も介護してきての経験ですが、まったく食べなくなってから、1週間以内に食欲が戻らないと死は近いです。
猫が自ら食べる、ということが本当に大切だから、何がなんて選んでられないんです。
毒にならないのであれば、食べればなんだっていい、っていう状況になるんです。
さいごに
腎不全は、早期発見や進行を遅らせることも大切ですが、何より予防が第一。
私がなんで、手作りごはんをあげてるかって聞かれたら、「腎不全予防」が一番かもしれません。
猫の苦しみを少しでも和らげたい。
生活の質(QOL)をできるだけ落とさずに、最期の時まで一緒に暮らしたい。
これが私の願いです。